民泊運営にかかる費用は? 初期投資や運営費の相場などについて解説します!
2023.07.28
外国人観光客や国内観光需要の増加により、ますます注目が集まる民泊運営。
民泊運営に関心がある方にとって、初期費用や経営にかかる費用などどのくらいお金がかかるかは重要なポイントですよね。
本記事では、許可申請費・リネン準備費・消防設備費などの初期費用から、管理業者への運営代行費用まで、詳しく解説します!
民泊運営全体にかかる費用
民泊を始めるにあたって最初に気になるのは、民泊事業全体にかかる費用ですよね!
民泊事業にかかる費用としては、大きく分けて「開業費用」と「運営費用」があります。
民泊運営にかかる総コストは物件やグレードによって異なりますが、目安としては以下の通りです。
1軒屋で民泊運営を始める場合
・物件取得費:数100万円~(自己所有物件の場合不要)
・開業費:300万円~(リフォーム無しだと)
内装工事費・行政への申請費・消防設備の設置費・家具家電、リネン類や清掃用具の購入費など
・運営費:月々 約3万円+宿泊費の30%+清掃費
水道光熱費・運営代行費・アメニティなど消耗品費・通信費・水道光熱費など
マンションの1室(想定:1LDK〜2LDK 約50平米)で民泊運営を始める場合
・賃貸契約費:50-100万くらい(自己所有物件の場合不要)
敷金・礼金・仲介手数料、火災保険料・保証金など
・開業費:200万円~(リフォーム無しだと50-100万で済むことも)
内装工事費・行政への申請費・消防設備の設置費・家具家電、リネン類や清掃用具の購入費など
・運営費:月々 約3万円+宿泊費の30%+清掃費
水道光熱費・運営代行費・アメニティなど消耗品費・通信費・水道光熱費など
では、民泊運営を始めるために必要な費用である「開業費用」と「運営費用」について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
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民泊にかかる開業費用とコツ
ここでは、民泊運営を始める初期費用について詳しく説明します。
民泊運営の開業費ですが、大きく分けて、
1.物件準備の初期費用
2.消防設備の初期費用
3.内装リノベーションの初期費用
4.家電家具・日用品の初期費用
5.届出・申請にかかる初期費用
6.民泊用保険費用
があります。
目安としては、物件準備費を除き、
一軒家で民泊事業を始める場合は300万円~
マンションの1室で始める場合は200万円~
です。
開業に必要な物件以外の調達費を、物件調達費の10%くらいにすると良いでしょう。
では、それぞれ詳しく見てみましょう!
(記事の最後で、開業費用を抑えるコツもお伝えします!)
1.物件準備の初期費用(自己所有物件でない場合)|民泊の開業費用
民泊運営ができる物件を持っていない場合、まずは物件を探すところから始めましょう。
①物件を購入する場合
物件購入費は、数100万から数億まで立地と規模により大きく上下します。
物件購入費に加えて、
・仲介手数料 :家賃約1か月分
・所有権移転・抵当権設定登記費用:それぞれ10~20万円
・不動産取得税
・固定資産税等精算金
・印紙代
が追加費用として必要になるので注意が必要です。
②物件を賃貸によって用意する場合
月々の賃料とは別に、敷金、礼金、前家賃、仲介手数料、火災保険料、保証料、保証金などがかかる場合が多いので、賃料3~12か月分は別途用意しておくことをお勧めします。
なお、民泊事業に使えない物件も多いですので、賃貸する前に「民泊に使用できるか」を確認しましょう。
2.消防設備の初期費用|民泊の開業費用
民泊で使用される物件は、消防法上、特定防火対象物(旅館、ホテル、宿泊所その他これらに類するもの)となります。
そのため、部屋の1室だけを貸し出す場合であっても自動火災報知設備や非常用照明などを備えなければなりません。
消防設備に必要な費用ですが、一般的には以下のようになります。
〇マンションの一室の場合
約20万円
非常灯と火災報知器など
〇戸建て住宅(想定:2階建て以下、延床面積80平米前後)
約30万円
特定小規模施設用自動火災報知設備、避難誘導灯非常用照明の設置、消火器1台、消防申請書類の作成など。
なお、消防設備を検討するにあたって、特に自動火災報知設備は費用がかかるので注意が必要です。
特定小規模用(無線式)のもので数10万かかりますし、3階建て以上の建物についてはP型2級など本格的なものを導入する必要があるので、それだけで100万円以上かかる場合があります。
3.内装リノベーションの初期費用|民泊の開業費用
民泊運営の成功には、内装リノベーションをすることで、宿泊者がお部屋で快適に過ごせる環境をつくることが重要です。
海外からの旅行客が民泊を利用することが多く、トイレは洋式に変える必要があります。
また、お客様に長期的に滞在していただくためには、お風呂とトイレを別にしたり、フローリングや壁紙を張り替え清潔感を保つなどの心配りが重要です。
このような内装リノベーションにかかる費用としては、150〜200万円くらいを見込んでおくと良いでしょう。
目安として以下を参考にしてみてください。
・トイレ増設やシャワー増設:数10万円~
・風呂を増設:100万円~
・エアコン増設:10万~30万円
・壁紙の張り替え:1㎡あたり1000~1500円
・フローリングの張替え:20畳で20万円~
4.家電家具・日用品の初期費用|民泊の開業費用
家具や家電、宿泊者が使う日用品の準備費用としては、15~30万円ほどを想定すると良いでしょう。
調達のポイントをいくつか解説します。
①寝具について
ベッドやシーツ、ベッドパッド、枕など合わせて一人分当たり3~10万円くらいが相場です。
洗濯する必要がありますので、2セット用意すると良いかと思います
布団は、寝心地や耐久性の面で、有名メーカーの物を選んだほうが良いでしょう。
5000円ほどの物もありますが、寝心地が悪かったり薄すぎたりすると、宿泊者からの評価の低下につながります。2万円弱を目安に選ぶと良いでしょう。
なお、夏場のタオルケットや冬場に使う毛布も、用意することをお勧めします。
②家具について
10万円くらいが相場です。
費用を抑えたい方は中古でも大丈夫ですが、統一感や清潔感を感じられるものを選ぶことをお勧めします。
③日用品について
食器やカトラリーや清掃備品は3000円ほど、リネン類(シーツや布団カバーなど)は3万円ほどが相場です。
バスタオルは1人につき3枚は用意しましょう。
テーマやコンセプトに沿って選ぶと、統一感がでてお部屋が魅力的に映りますのでお勧めです。
なお、リゾート地で民泊運営をする場合、宿泊者は非日常的感覚を求めるため、おしゃれな内装にする必要があり、少し費用が多くかかる場合があります。
リゾート地に民泊される宿泊者は民泊施設に長く滞在する傾向があるため、過ごしやすさにこだわったインテリア・アメニティ選びをすると良いでしょう。
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5.届出・申請にかかる初期費用|民泊の開業費用
届け出や申請には、大きく分けて
①申請・届け出手数料
②行政書士費用
③建築士費用
があります。
①申請・届け出手数料について
民泊運営を始めるには、届け出が必要ですが、民泊運営の形式により手数料がかかる場合があります。
民泊の形式による申請・届け出先と手数料の一覧です。
②行政書士費用について
申請は自身でも可能ですが、「旅館業法」と「特区民泊」に基づき開業する場合は、必要書類が多いなど手続きが煩雑で手間と時間がすごくかかるため、行政書士に依頼することをお勧めします。
費用としては、旅館業や特区民泊で25万円〜40万円くらい、民泊(住宅宿泊事業)で20万円前後が目安です。
事務所により値段が異なりますので、詳しくは行政書士事務所にお問い合わせください。
③建築士費用について
「旅館業法」に基づき開業する場合は、申請の際に建築基準法上の建物の用途を「ホテルまたは旅館」に変更する必要があり、変更に当たって、大規模な改修工事や自治体への確認申請などが要求される場合があります。
改修工事のための設計費用や用途変更では、建築士に依頼する必要があり、用途変更では数100万円〜、図面作成・設計料は数万〜数100万円かかることが多いです。
6.民泊用保険費用|民泊の開業費用
民泊用の保険に入っておくと良いでしょう。
義務ではないですが、ゲストが部屋の一部を壊してしまうなどのリスクを考えると入ったほうが良いでしょう。
費用としては、年間2万5000~5万円ぐらいです。
以上、民泊開業に必要な費用を解説させていただきましたが、最後に開業費用を抑えるコツをお伝えします!
開業費用を抑えるコツ
ここでは、開業費用を抑えるコツを4つご紹介します。
大きく分けて、
①フリマサイトの活用
②リフォームの必要ない物件を探す
③自分で手続きを行う
④必要な備品や工事をリストアップする
です。
それぞれみていきましょう!
①フリマサイトの活用
お皿やまな板、包丁やフライパン、寝室の布団などを、メルカリやジモティーなどで調達すると、初期費用を抑えることができます。
自前で用意できるものがないか?フリマサイトで安く調達できないか?という視点を持つことが初期費用削減に有効です。節約できる部分はできる限り節約していきましょう。
アクセントクロスなどを使うことで、出費を抑えながらもおしゃれさを忘れないのがポイントです。
②リフォームの必要ない物件を探す
初期費用の具体的な費用の内訳では、お風呂やトイレなど水回りの設備工事にかかる費用が最も高額です。
そこで、水回りのリフォームをしなくてよい、洋式のトイレやお風呂とトイレが別になっている物件を選ぶとよいでしょう。
床への防音材施工、押入れのクローゼットへの変更、浴室乾燥機の追加、エアコン工事、扉や間仕切りを変更する工事なども避けられるとさらに節約できます。
消防設備は、部屋の魅力度とはあまり関係がありませんので、特小自火報が使用できる物件を主に探し、消防設備費用を抑えましょう。
水回りの整備費用など高額な工事を避けて、その分内装をきれいにするために予算を使うと、部屋を効率よく魅力的にできます。
③自分で手続きを行う
民泊運営開始に当たっての届出・申請を行政書士に頼まず自分自身でやることです。
先述しましたが、行政書士に依頼すると20万円以上かかる場合があります。時間や手間は掛かりますが、費用削減を第一に考える方は自分自身で行うのもいいですね。
④必要な備品や工事をリストアップする
事前に必要な備品や工事をリストアップし、それぞれに具体的な商品名を当てはめて行きますと、予算の範囲内でのコストコントロールができます。
場当たり的に備品や工事を発注していますと、全体のコストが見えず、予算オーバーになる危険がありますのでご注意ください。
民泊にかかる運営費用
ここでは、民泊運営にかかる費用について詳しくご説明します。
民泊運営にかかる費用の目安は、
1月あたり、約3万円+宿泊費の30パーセント+清掃費
です。
費用項目としては、
1.光熱費
2.民泊予約サイトの手数料・運営代行費用
3.リネン交換など清掃費
4.ごみ処理費
5.消耗品費
6.民泊用保険費
7.Wi-Fi利用費
8.フロント係などの人件費
9.諸経費
があります。
開業費用と同様、最後に、民泊運営費を抑えるコツをお伝えします!
1.光熱費|民泊の運営費用
地域にもよりますが、1Kで月5000〜8000円、2LDKは月15000〜20000円が目安です。
光熱費の目安としては、宿泊料の2-3%程度を想定するとよいでしょう。
2.民泊予約サイトの手数料・運営代行費用|民泊の運営費用
民泊予約サイトの掲載手数料は、売り上げの約10%が相場です。
また、民泊の運営代行を管理業者に依頼すると、運営代行費として、売り上げの約20%が別途かかります。
民泊運営はルールが多く、また、煩雑な手続きや外国人観光客への対応などご自身だけでやるのは難しいため、代行業者に経営を依頼するのは一つの有効な手段です。
運営代行を管理業者に頼むと、収益物件の仲介や各種手続きの代行から、リフォーム・清掃・トラブル対応に至るまで、民泊サービス全般の経営を代行してもらうことができます。
民泊の運営代行にかかる具体的な費用や削減のコツは後述します。
3.リネン交換など清掃費|民泊の運営費用
清掃費の目安としては、リネン類(寝具やタオルなど)の交換やルームクリーニングで、1回数千円程度です。
業者によって、時間単位やお部屋広さに応じた費用体系となっていることがありますので、詳しくは業者へ直接お問い合わせください。
お客様に満足していただくためには、お部屋を清潔に保つことが大切です。民泊サイトの高評価な口コミやお客様の再利用率の向上につながりますので、お部屋の清掃はしっかり行いましょう。
また、定期的に本格的な掃除をするとよいでしょう。その際には、床のワックスがけや配管清掃、ダニやゴキブリ駆除などを行いましょう。
4.ごみ処理費|民泊の運営費用
月に5000円程度を想定しておくと良いでしょう。
5.消耗品費|民泊の運営費用
月に7000円前後を想定しておくと良いでしょう。
タオルやトイレットペーパー、洗剤などです。
6.民泊用保険費用|民泊の運営費用
費用としては、年間2万5000~5万円ぐらいです。
義務ではないですが、ホスト側の不備で宿泊者から損害賠償請求を受けるといったケースもありますので、加入することをお勧めします。
7.フロント係などの人件費|民泊の運営費用
民泊を「旅館業法」に基づいて始める場合などでは、フロントやスタッフ常駐が要求される場合があります。
自治体により対応が異なりますので、詳しくは自治体担当者へご相談ください。
8.Wi-Fi利用料|民泊の運営費用
月に5000円前後を想定しておくとよいでしょう。
Wi-Fi環境は今や必須となっておりますので、整備し忘れにご注意ください。
9.諸経費|民泊の運営費用
民泊運営代行を依頼する場合は民泊代行業者が基本料金でどこまで代行してくれるかにもよりますが、手続きのために必要なシステム手数料や、遠隔での受付サービス費用などが当たります。
光熱費や通信費を節約したい場合は、ネット環境が整った物件や都市ガスエリアを選ぶと良いでしょう。
運営費用を抑えるコツ
民泊経営費を削減するコツを、2つご紹介します。
①光熱費や通信費を節約する
プロパンガスではなく、都市ガスを利用する物件をえらぶとよいでしょう。プロパンガスは、都市ガスに比べ約1.5倍もガス代がかかります。
また、インターネット環境がすでに整備されている物件ですと、整備費用が浮きます。賃貸で物件を借りる場合は、賃料が通信費込みで安い物件を探すと良いでしょう。
②メールや電話対応、清掃を自分でやる
経営コストを削減するためには、できる限り自分で行うことをお勧めします。民泊運営会社に委託すると、手数料や運営代行費などがかかり、収入が減ってしまいます。
とはいえ、外国人旅行客の利用も予想される民泊です。
英語や中国語など多言語での対応を求められることを考えると、ある程度は運営代行をお願いしたほうが効率的に集客できる可能性があるので、費用対こうかを考えながら、うまく活用したいところですね。
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民泊の運営代行にかかる管理費用
民泊の運営代行を管理業者へ依頼する費用としては、
売上(宿泊費+清掃費)× 15-20% + 清掃費用
が最も一般的な料金スタイルです。
月4万円の固定費プランや家具付きプランなどを用意している運営代行管理業者もありますので、自身の物件の運営方法に合わせて最適な運営代行管理業者を選ぶことをお勧めします。
運営代行管理業者に頼みますと費用はかかりますが、煩雑な申請手続き・トラブル対応・清掃などの代行や民泊運営収益の最大化を図ることができます。
気軽に相談してみるだけでもオススメです。
民泊運営代行会社に依頼できること
民泊運営代行の具体的な内容としては、
1.収益物件の仲介
2.集客サイトの手続き代行
3.各種行政手続きサポート
4.外国語も含むお客様対応
5.トラブル・緊急時対応
6.広告代行
7.チェックインガイド・ハウスマニュアルの作成
8.宿泊者名簿管理
9.宿泊料金の最適化
10.清掃代行
などがあります。
清掃費用は、運営代行費用とは別に請求される場合が多いので注意が必要です。
地域や部屋のサイズにより異なりますが、目安としては、1ルーム:4000円〜5000円、2LDK:7000〜8000円です。
運営代行費用を抑えるコツ
ここでは、運営代行費を抑えるコツを2つご紹介します。
①運営代行管理業者に全部お任せにしない
掃除や消耗品の入れ替えなどを自身でやることにより、運営代行管理業者に支払う金額を削減することができます。
②民泊運営する物件に合わせた運営代行管理業者・プランを選ぶ
基本料金は安くても、サービス内容が細かく切り分けられていて、オプション料金で追加の課金をされる場合もあります。
料率や金額だけを見て安いか高いかを判断するのではなく、サービス内容も考慮して検討しましょう。
以上を参考にしながら、経営コストを削減していきましょう。
まとめ
この記事では、民泊運営の初期費用や運営費用について説明しました。
民泊運営を管理業者に依頼することにより、費用はかかりますが、煩雑な申請手続き・トラブル対応・清掃などの業務の削減や民泊運営収益の最大化を実現することができます。
外国人観光客の増加などで需要が見込まれる民泊運営、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。